またはてなブログからそろそろ更新しろとメールが来たので更新します。


お久しぶりです。

今日の関東地方は大雨で風も強くて、嵐のような日でした。

犬をトリミングに連れて行くことになっていたので渋々外出しましたが、近くの道路が冠水していて通れなくなっていました。


雨の日はいつも、昔住んでいた団地の寝室から網戸越しにみた風景を思い出します。

その巨大な団地は日本の貧困地帯トップ10にランクインしていて、

住んでいる子どもは、私も含めてみんな外で遊ぶのが普通でした。

団地の遊び場はバスケットゴールがひとつだけあるだだっ広い公園(というよりただの広場)と、赤い屋根の遊具がある公園の二つだけで、あとは誰かの家の前に座り込んでゲームをしたり自転車で他の地区に遊びに行ったりして過ごしていました。


私の家からは広場がよく見えました。団地に囲まれる形で作られたその場所は「あけぼの公園」という名前が付いていて、団地の子供たちの間では「あけぼの」と呼ばれ、日常の集合場所になっていました。

今となっては驚きですが、私たちはその何もない広場で何時間でも暇をつぶすことができていました。

ボールひとつあればサッカーもバスケもやりましたし、なければ自転車を押してきて広場の周りでレースをしたり、ポータブルゲームの通信機能で遊んだり、カードゲームに興じたり。

誰がどの棟の何階に住んでいるかみーんな知っていたので、スポーツをするならボールを持っているあの子に、ゲームをするなら上手なあいつに、と団地中を走り回ってメンバーを集めました。

そんなことをしているうちにあっという間に17時の鐘が鳴り、まだまだ遊び足りないまま名残惜しく解散して、また次の日に同じ遊びをして、を繰り返していました。



ある初夏の日の朝、起きると開け放たれた窓からサラサラと音がして、

首を上げて見てみると結構などしゃ降りでした。

雨の匂いの中で窓から見えるあけぼの公園が輝度も彩度も失ってしょんぼりしていて、いかにも暗く沈んだ光景のはずなのに、

屋根に守られた場所から見る雨は、なんだかとっても心地よくてワクワクしたのを覚えています。

すぐに支度して傘もささずに出かけ、友達の家のインターホンを押しました。

その子の家の前で雨を眺めながら過ごしている間、世界に自分と友達の二人きりになったような気がして、小さな秘密基地に息を潜めているような高揚を感じました。

部屋から雨を見つめるのが好きなのはきっと、雨が作る透明な壁がこんな風に優しい閉塞感を与えてくれるからだと思います。


今日の大雨で久々に昔のことを思い出せました。

地元愛だとか県民意識だとかそういう言葉はあまり好きではないのですが、

あの団地での生活は不自由もありつつとても楽しかったなと思います。

叶うなら小学生の頃に戻りたいなといまだに思うくらい、その時代の生活は本当に充実していました。

限られた環境の中で楽しく過ごそうという気概が今よりあったんでしょうね…



過去のことばかり話してしまいましたが、今は今で楽しくやってますよ!

6月から8月末まで埼玉(の奥地)で働くことになっているので、1週間ほど先にお引越しを控えています。

新しいお仕事が始まるので、それにかかりきりにならず、楽しく生活できるように頑張りたいと思います。


それではまた。