大学の授業も残すところあと1回になってしまいました。

水曜4限に宗教文化の講義を取っているのですが、

今週のテーマが「呪術」ということで先生が授業にわら人形を持参してきました。

本物(?)は初めて見ましたが、

全長2〜30センチほどあり思っていたより大きかったです。

最近では丑の刻参りの代行サービスなどもあるらしく、

呪術のあらぬ方向への進化に愛おしさが溢れました。


呪術やオカルト系の俗信については正直そこまで真剣に信じているわけではないのですが、

ホラー映画や怖い話はとても好きです。

留学していた頃も、

芸能人が語る怖い話を聞きながら寝ることがよくありました。やるせなすの中村がお気に入りでした。

話のリアルさもさることながら、語り方と声が絶妙に耳触りが良くて何度でも聴けます。


そんな流れで、今日は怖い話を書こうかなと思います。苦手な方は飛ばしてください。



今のマンションに越してきて3年ほどになりますが、一度だけ怖い思いをしたことがあります。


一昨年の冬の話です。

留学から帰ったばかりの頃、

それまで遊べていなかったこともあって毎日夜遅くまで外出していました。

年末に差し掛かるあたり、いつものようにエントランスからエレベーターホールに入りました。



14階建てのマンションには二つのエレベーターがあり、

誰も使わない時間になると、ひとつは1階に、もうひとつは中間の7階に停まって、

昇降ボタンを押した階に近い方がやってきます。


その時も遅い時間で誰も使っていなかったとみえて、1階と7階にランプが付いていました。


ボタンを押して少しすると、1階に停まっていたエレベーターの扉が開きました。

いつもならすぐに乗り込むのですが、その日はそうもいきませんでした。


エレベーターに人が乗っていたのです。


背丈は私と同じか少し低いくらいで、

肩口ほどまでの短い髪の毛がぐちゃぐちゃに絡まっていて針金のようでした。

後ろを向いたまま微動だにせず、女か男かも判別がつきません。


明らかに普通の人じゃない、と直感で思いました。

私が来るまでエレベーターは1階にずっと停まっていたはずなのです。

つまり、停まったままのエレベーターの中に、後ろ向きで立ち尽くしていたということになります。

どうして?何のために?

途端に恐ろしくなって、その背中から目を離さないよう後ずさりして、

背後にある階段を一気に駆け上って家に飛び込みました。

お風呂にもトイレにも洗面所にも一人で行く気になれず、

結局出かけたままの格好で布団に入りました。




オチもなければマンション自体も幽霊とは縁もゆかりもない普通のマンションです。なんならこの体験談も嘘です。

自分で作った実話っぽい怪談話をしてみたかったので書きました。騙してごめんなさい。

内容に納得いかなくなったら消します。


おわり