いつまで続くかも何を話すのかも分からないけど、なんとなく勢いでブログ作ってみました。

学生の今考えていることや感じたことをなるべく素直に記録したいなと思ってます。


年末に思い出した話をします。

ところどころ記憶が曖昧なので捏造してるかもしれません。


他の高校ではどうなのか分かりませんが、私の高校では三年生のとき、芸術鑑賞会という行事がありました。

文系の先生方が毎年企画しているもので、文字通り伝統芸能の公演を観に行く恒例行事です。(今でもやってるみたいです)

授業を1コマだけ受けて一旦解散し、お昼過ぎに現地集合するのが当日の流れです。


正直な話、私にとって伝統芸能なんてどうでもよくて、お昼ご飯をファミレスで食べたり、東京方面に向かう電車の中でワイワイおしゃべりするのが一番の楽しみでした。

(当日のお昼はたしか一駅先のサイゼに行った気がします。周りは同じ高校の生徒ばかりで、なんだか不思議な光景でした)


劇場の前に着いてクラス順に並んだ後、座席表で自分の席を確認したら、花道のすぐ隣の、ものすごく良い席でした。

今考えればとても失礼な話ですが、

内容に興味もないし、公演が始まったら寝てしまおうかと考えていたので、

これでは目立って仕方ない、と隠すこともなくクラスメイトに愚痴をこぼしていました。


もうすぐ入場、というタイミングになったとき、前に立っていた男子から声をかけられました。

同じ部活に所属している背の高い、物静かな男子でした。部活もクラスも同じなのに、片手で数えられるくらいしか話したことがなかったので、声をかけられたときはかなりビックリしました。

彼は私に、席を交換してくれないかと持ちかけてきました。

なんでも、今日の演目(彼から能だと聞かされるまで知りませんでした)を心待ちにしていたらしく、できれば良い席で観たいということでした。

もとより興味もなければ寝るにはもったいない席だと思っていたので、二つ返事で了承しました。

それを聞いて、彼がとても嬉しそうにお礼を言ってくれたのをよく覚えています。(演目の内容は案の定なにも覚えていません)


それから幾日も経たない日の朝、彼が私の席の前に立ちました。

この前のお礼に、と差し出された紙袋には見覚えがあって、近所のデパートのものだとすぐに分かりました。

そんなに大それたことをしたつもりはないので受け取れない、と言ったのですが、

家族にも話して何かお礼をしなさいと言われた、と押し切られて結局貰ってしまいました。

袋の中身は、リラックマの刺繍が入った鮮やかな色のミニタオルでした。(当時デパートで開催していた展覧会のグッズだったのかなと推測しています)

自分では絶対に買わないような可愛らしい柄で、心がとても温かくなりました。


昨年末、(渋々の)大掃除をしているときに、折り重なった衣類の間からこのタオルが出てきて、この出来事を思い出しました。

大したことのない話かもしれませんが、私の記憶で唯一と言ってもいいほっこりエピソードだったので、忘れないうちに書き残しておきます。


おわり